第4章 いくつかの心霊現象の実例を示す章

ベーコンは、観察と実験が徐々に勝利すること――事実の分析の勝利――を見越していた。 人間の学問のあらゆる部門において、――つまり、たったひとつを除いた、すべての部門において。 私はここに主張する。そんな除外とやらは、もはやなされる必要がない。
――F・W・H・マイヤース「Human Personality」II, P279

 これまでの章で、単についでに言及されてきた能力の実例を示すにあたっては、なるべく多くの事例を引用したいところだ。 しかし、そのほとんどは本や心霊研究協会の会報の中に記録されているため、 ここでは主に、公表されていないエピソードのいくつかだけを引用するにとどめようと思う。
 これらは、霊媒たちが持つ能力のいくつかを例証するものである。 彼らにしてみれば、これらのエピソードは印象的ではあるが、決定的なものではない。 しかし、この種の証明のひとつとしては、それなりの価値がある。
 私が選んだ出来事は、簡単な心霊実験の種類の説明となっており、数は4つある。 最初と最後の、個人的でない2つのエピソード以外は、色々な理由によってまだ印刷物になっていない。

 最初のクラスは、どこかで生じる事件についての情報伝達を例証する出来事から構成されている。 しかもその情報は、同時にあるいはその直前に与えられている。
 それらの出来事の3つを例に挙げた。 そのうちの2つはすぐに立証できるが、3番目はまだ確かめられていないし、今後も立証されることはありそうにない。 それでも記録に残すべきだと私には思われる。 それを肯定するものにせよ、反駁するものにせよ、将来事情が再起した場合に備えて。(※1)

 2番目の部類の出来事は、ありそうもない未来の事件についての予言や、細部にわたる予測の明白な能力を例証している。 なんら公的に重要な事件ではないが、それでも事件はその後に起きたのだ。

 3番目には、ひとつの物体からの明白なサイコメトリー、あるいは診断のエピソードを取上げよう。 研究者にはよく知られている、どちらかというとありふれた能力だ。

 4番目は、異なる種類のエピソードだ。 レナード夫人の支配霊フェダを通しての、より自由で気楽な会話の一例で、 故人と我々との間の相互関係についての会話である。 ついでながらこの会話は、自信はなかったが好結果に終わったある種のテストを可能にした。 通信者の身分証明をチェックするのに適用されるべきテストだ。


(※1)残念ながら、1924年のヒマラヤの大惨事についての、 丹念に綴られた長いメッセージは、 関係する家族の意思を尊重して省かざるを得なかった。 したがって今はただ心霊研究協会の会報と共に、将来必要があれば言及する時のために保存されている。 この本には代わりに別のエピソードが収められている。

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